ベイザー脂肪吸引に関するよくある質問をご紹介します。

よくある質問

優れた効果が期待できる反面、ダウンタイムや失敗のリスクなど、考えうるデメリットについても是非知っておきたいところ。みなさまからよくいただく質問をまとめました。

効果について

  • ベイザー脂肪吸引と一般的な脂肪吸引との違いは何ですか?

    脂肪の周辺組織を傷つけず、かつデザイン性に優れていることです。

    ベイザー脂肪吸引が組織を傷つけないのは、超音波を用いるから

    脂肪吸引手術では、通常、吸引前にチュメセントという液体を脂肪組織に注入します。これには脂肪を柔らかくして吸引しやすくするという働きの他、麻酔や止血剤も含まれるので、手術中の出血量を減らすという役割もあります。

    一般的な脂肪吸引はこの状態で脂肪を吸引していくのですが、ベイザー脂肪吸引の場合はここで超音波(ベイザー波)を脂肪に照射します。これによって生じる細かい泡が脂肪組織の結合を分解して、さらに吸引しやすい状態にしていきます。

    この結果、ほとんど液体に近いドロドロの状態になった脂肪を、刃のないカニューレで吸い出していくので、周辺組織へのダメージを最小限に抑えることができます。

    ベイザー脂肪吸引の特徴

    脂肪をしっかり除去できるので、繊細なデザインが可能

    ベイザー脂肪吸引は、超音波で脂肪組織の結合を分解し、麻酔液に浮かんだ脂肪を吸い出します。このため、塊のまま吸い出していく従来の脂肪吸引に比べて、くまなくしっかり脂肪を除去できます(皮下脂肪の90%の除去が可能)。

    こうした特徴は、痩身効果に寄与することはもちろんですが、筋肉のラインを強調したり、女性らしい滑らかな曲線を造形したりといったデザインの再現性にも有利に働きます。

    なぜデザイン性に優れるのか。それは、脂肪組織をバラバラにすることで、通常の脂肪吸引では難しい皮膚近くの浅い層や、筋肉周辺の深い層の脂肪にもアプローチできるからです。

    ベイザー脂肪吸引の症例

  • ベイザー脂肪吸引のメリットとデメリットを教えてください。

    メリットは脂肪の吸引能力、安全性、引き締め効果に優れていること。デメリットは、術者によって結果が異なるということです。

    メリット

    1つ目は、通常の脂肪吸引よりも多くの脂肪を除去できることです。これは脂肪組織をバラバラにしてから吸引するからです(詳しくは「ベイザー脂肪吸引と一般的な脂肪吸引との違いは何ですか?」をご覧ください)。

    2つ目は、安全性が高いことです。脂肪組織をバラバラにしてから吸い出すので、周辺の組織に無駄なダメージを与えるをことがありません。このため出血量は少なく、術後の回復も早いです*1

    3つ目はタイトニング効果が期待できるということです。*2脂肪吸引後の心配の一つは「皮膚がたるむのでは?」ということかと思いますが、ベイザー脂肪吸引の場合、皮膚の引き締め効果が期待できます。温存された脂肪の周辺組織が、術後にしっかり引き締まってくれるからです。手術から3か月ぐらいの間に、徐々にし引き締まっていきます。

    従来の脂肪吸引とベイザー脂肪吸引の違い

    *1: Nagy MW, et al. : Plast Reconstr Surg 129(4): 681e-9e, 2012 *2: Garcia O Jr, et al. : Aesthet Surg J 28(4): 430-5, 2008
    デメリット

    デメリットは、誰が使っても同じ結果になるわけではないということです。

    ベイザー脂肪吸引は高性能である反面、的確に操作するにはある程度の技術と経験が求められます

    失敗を未然に防ぐには、ドクター選びも重要な要素なので、十分に注意してください。

    少なくとも、認定資格のないドクターの施術は受けないことをお勧めします。

術後の心配について

  • ベイザー脂肪吸引はダウンタイムが短いと言われますが、なぜですか?

    周辺の組織へのダメージを最小限にできるからです。

    ベイザー脂肪吸引が組織に与えるダメージは最小限

    脂肪吸引のダウンタイムは、手術の際に脂肪の周辺組織を傷つけてしまうことで生じます。

    現在の技術では、脂肪吸引の際に周辺組織へのダメージをゼロにすることはできないので、ある程度のダウンタイムは避けられません。

    ただ、ベイザー脂肪吸引の場合、脂肪組織の結合をバラバラにしてから刃のないカニューレで吸引するので、脂肪以外の周辺組織を傷つけるリスクは少なくなります。周辺組織へのダメージが少なくなる分、ダウンタイムが短くなります。

  • ダウンタイムが短いとのことですが、いつ頃から仕事復帰できるものですか?

    多くの方は、痛みのピークである術後3日程度はお休みされます。

    復帰の時期は、生活環境や体調に合わせて決めることが重要

    ダウンタイムは、脂肪吸引を行なった範囲や吸引した脂肪量に依存します。また、術後の違和感の感じ方は人それぞれなので、一概には言えません。

    デスクワークであれば翌日から復帰されるということもありますが、一般的には、痛みのピークである術後の3日程度はお休みされる方が多いです。

    なお、水商売やグラビア撮影など、肌の露出が多い仕事は、内出血や浮腫みが引いてくる1ヵ月ほどは様子見した方が良いでしょう。

  • ダウンタイムに想定しておくべき症状と、それがどのぐらいの期間続くかが知りたいです。

    ベイザー脂肪吸引のダウンタイムは、全体で概ね3ヵ月ほどとお考えください。

    痛み(出現時期:手術直後から2週間ごろ)

    適切な麻酔法を行っていれば、手術中に痛みを感じることはまずありません。術後は直後の3日間ぐらいがピークで、その後徐々に落ち着いてきます。

    痛みは強度の筋肉痛のようなものですが、その程度は吸引した部位の面積、除去した脂肪の量によって異なります(太ももやお腹など、広範囲で、吸引量が多いほど痛みは大きくなる傾向があります)。

    浮腫み(出現時期:手術直後から2週間ごろ)

    脂肪を除去したスペースに水分(麻酔液やリンパ液)が溜まることで、浮腫みが生じることがあります。この症状は、水分が停滞しやすい下半身で特に顕著なので、太もも、膝、ふくらはぎなどを吸引した際には特に注意が必要です。

    この症状には、ボディスーツやタイツなどを使った圧迫固定で対処します。また、術部を温めることで血流を促進し、老廃物の排出を促すという方法も有効です。

    硬縮(出現時期:術後2週間〜3ヵ月ごろ)

    硬縮は、脂肪がなくなったスペースを線維質で埋め合わせようとする、人体に備わった治癒反応の一環として現れます。

    術後3ヵ月から半年程度で自然に回復しますが、血流改善や硬縮部分を潰すようなマッサージなどのセルフケアを行うことで回復を早めることも可能です。

  • ダウンタイムには何らかのセルフケアをした方がいいのでしょうか?

    術後のセルフケアをすることで、ダウンタイムの期間を短く、症状を軽くできます。

    ケア方法1:アイシング

    痛みや内出血の対応として有効です。

    腫れを抑え、症状を和らげてくれます。

    ケア方法2:マッサージ

    内出血、浮腫み、硬縮との改善に有効です。

    リンパの流れを良くして、症状の回復を早めます。

    ケア方法3:入浴

    痛み、内出血、浮腫み、硬縮などの改善に有効です。

    血流をよくすることで、患部への酸素や栄養の供給を促進します。

    セルフケアに関する注意点

    アイシングのように体を冷やすケアは、手術直後(術後2〜3日)、患部が炎症している間に実施してください。

    術後7日目以降になったら、マッサージや入浴など、体を温めるケアを重点的に実施してください(この時期のアイシングは逆効果です)。

  • 傷跡は残りますか?

    完全になくなることはありませんが、言わなければ気づかれない程度までは回復します。

    傷跡は、カニューレを挿入する箇所に数ミリ程度

    傷跡は、1部位あたり数ヵ所ずつ作ることになります。

    どこに傷ができるかは、下記の表をご確認ください。

    脂肪吸引の部位と傷跡の位置

    傷跡の例

リスクについて

  • ベイザー脂肪吸引で採取した脂肪は、脂肪注入に向かないというのは本当でしょうか?

    そのような報告はありません。むしろ他の方法で採取した脂肪と変わらないということが、医学論文に報告されています。

    ベイザー脂肪吸引で採取した脂肪の性質

    ベイザー脂肪吸引のように超音波を使って採取した脂肪と、そうでない脂肪の詳細を比較した研究が、海外で報告されています。

    それによると、超音波を用いて採取した脂肪と通常の脂肪吸引で採取した脂肪の間には、性質上、統計学的な差が認められませんでした。

    脂肪注入の定着で重要なSVF(脂肪幹細胞)の数に関しても同様に、統計学的な差はありませんでした。

    このことから、ベイザー脂肪吸引は多くの脂肪を採取する際に有用で、採取した脂肪は注入の素材としても有用である(通常の脂肪吸引と変わらない)と結論づけられています。

    *: Fisher C, et al. : Plast Reconstr Surg 132(2): 351-61, 2013
  • ベイザー脂肪吸引だからこそ起こりうる失敗はありますか?

    やけどや、脂肪が取れすぎるゆえ不自然なデザインになるなどが考えられます。

    やけど

    超音波のコントロールを誤まったときや、カニューレの先端が皮膚に触れるなどするとやけどを起こします。

    不自然な仕上がり

    脂肪の取り過ぎのせいで表面が凸凹になる。皮膚の色調が変化してしまう。支えとなる脂肪まで除去してしまい、お尻や膝上が垂れる。表面近くの脂肪を十分除去しないことで、皮膚がたるむ。このような失敗は実際に起こっています。

    失敗の原因と対策

    上記の失敗は、いずれも術者の不注意や技術不足によるものです。

    術者が細心の注意を払うのはもちろんですが、施術を受ける側が注意すべきことは、技術と経験のある優れたドクターを選ぶことにつきます。

    ベイザー脂肪吸引の効果は術者の腕によっても大きく左右されます。このことは十分に認識してください。

医療者のためのFAQ

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